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今年のゴールデンウィーク

2019.5.2(木)


今年のゴールデンウィークは、愛犬どんぶりと妻と私の3人で山中湖にあるペット同伴のホテル「ドッグリゾートワフ」に1泊旅行しました。
超大型連休の中日なら、高速道路の渋滞が少しは回避できるだろうと、5月1日に予約を取りました。
ナビで八潮から山中湖に設定をすると予想到着時間が、2間30分と出て一安心しました。
お昼ご飯は、山中湖のペット同伴OKなレストランのどこにしようかと妻と話しながら
午前8時に自宅を出発して、八潮南インターから首都高速に乗り、予想以上にスイスイで万年渋滞の両国ジャンクションも難なく通過しました。
連休中日を選んで大正解!と思いきや
東名高速に入るやいなや渋滞が始まり、急にノロノロ運転になりました。
ナビの予想到着時間が、どんどん延びていき予想到着時間がなんと1時半に伸びてしまいました。
午前11時頃ようやく海老名パーキングエリアに到着して小休止。
山中湖での昼食は諦めて、どんぶり君のおしっこタイムがてら、ここで昼食を取ることにしました。
もちろんペット同伴のレストランはないので、たこ焼きを買ってベンチで昼食を済ませました。
その後、高速道路本線に入りましたが、やはり超渋滞は御殿場付近まで続いていました。
結局、山中湖に到着したのは午後2時過ぎでした。
その後のニュース番組では、今回の大型連休の渋滞情報はことごとく外れてしまったようで、私のように連休の中日ならすいていると考えた人が集中してしまったためとのことでした。

ドッグリゾートに到着したときは、雨が降り出し外にある大きなドッグランには行けなかったので、大型の室内ドックランにつれて遊ばせました。
犬が怖いどんぶり君はいつものように、私たちのそばにべったりくっついて、他の犬と遊ぼうとしません。
すると中型犬がどんぶりの所によってきて挑発してきました。
ビックリしたどんぶりは逃げましたが、執拗に追いかけ回され、どんぶりの大きさの4/1にも満たないこの犬にマウンティングまでされてしまいました。
大きいくせに鈍くさいことがばれたのでしょうね。
どんぶりの気持ちとしては、「早く部屋に入りて〜」だったと思います。
そしてチェックインの時間になったので、やっとどんぶりは怖い犬たちから解放されました。
また、水難救助犬のくせに水が怖いどんぶり君は今回はプールなしだったので、それも安心していました。

翌日は、晴天で朝早く山中湖を散歩しました。
写真は、朝の元気などんぶりです。

帰りは横浜の森林公園によって園内を1周散歩して、さらに山下公園によるために中華街のそばの駐車場に車を止めました。
散歩が嫌いなどんぶり君は、もう散歩したくないと車から降りようとせず、説得してようやく車から引きずり出しました。
山下公園を往復して、元町も散歩して帰途に向かいました。
どんぶり君は、前日の犬に囲まれた精神的な疲労と散歩づくしの2日間だったので、車中はもちろん、翌日の夕方まで寝っぱなしでした。

ジョージ クリントン? ライブに行ってきました。

2019.4.29(月)


P-FUNKの神様GEORGE CLINTONのライブに行ってきました。
これでライブツアー最後で引退と言うことで開催されたビルボードライブは満席。
グッズ売り場も長蛇の列。
そしてライブ開始!
と同時に白いコートを羽織りハットとサングラスをかけたGEORGE CLINTONがもう登場?

約20年前に赤坂でライブを行ったときは、ライブが始まってもバンドメンバーが延々と演奏をし、もったいぶらして30分以上してからやっとGEORGEが仙人のように登場し、まるで教祖様のようなカリスマ性があった。
そして大ヒット曲の「Knee Deep」を30分ぐらい演奏し、日本人たちのノリがあまり良くなかったのが気に入らなかったらしく、途中でステージから出て行ってしまったのを覚えています。

ところが、今回はいきなり登場?
このおじさんは前座のバンドメンバーかな?
でも、全然歌わず椅子に腰掛けているから、おじいちゃんになったGEORGEか?

演奏している曲はヒット曲ではなく、 聴いたこともないブラックロックばっかり。
昔のFUNKADELICの曲なのかな〜
体型はGEORGEに似ているけど、帽子とサングラスで顔は見えないが肌はピチピチで、どう見ても40代ぐらいのおじさんだ。
たまに発するのは「ハッ」とか「ホッ」というかけ声だけ、声はGEORGEではない。
やっぱりこのおじさんは、前座のメンバーだったのか

またもったいぶらして、GEORGEは偉そうに登場してくるんだと思いきや、
「Give Up The Funk」が始まったが、肝心の歌詞「Tear The Roof Off The Sucker」
を歌わず、コーラス部分しかみんな歌わない。
あっという間に曲が終わり、「Flash Light」が始まったがこれも同じでコーラスばっか。
そして「Knee Deep」に変わったがGEORGEが歌っているパーツは違う人が歌い始めた。
オーディエンスもなんかおかしいと感じ始め、ノリが全くなくなった。

やがてMCのメンバー紹介が始まり、「GEORGE CLINTON!」と言ったので
おお〜っ やっと登場するのかと思ったら
あのコートのおじさんが両手を挙げた。
何だ! 影武者? 
未だに日本人はなめられてこんな事されるのかと
どうでもいいけどアンコールもせず、オーディエンスのコールもなく、いつの間にかライブは終了。
最悪のライブでした。
帰りの電車のなかで、スマホにダウンロードしている「Flash Light」を2回連続して聴いて耳を整理しました。

「教えて!歯を守る歯周治療」 歯科医師・歯科衛生士にできること 出席

2019.4.21(日)


本日、大手歯科材料メーカー GC主催の東京ステップアップ講演会に出席して参りました。
演題
「教えて!歯を守る歯周治療」
歯科医師・歯科衛生士にできること

〈内容〉
テーマ1:歯周治療の診査・診断からのコンサルテーション
「診査・診断の勘所 原因を考え、患者さんの情報を読み取る歯周治療とは」
林 美穂 先生
福岡県福岡市開業 林美穂医院
診査・診断力の磨き方
●常に手抜きをしないこと
●デンタルX線にこだわること
●規格性のある口腔内写真を撮影すること
●常に病状・症状の原因を考えること
●スキルを磨き、引き出しを多くもつこと
●資料をそろえてコンサルテーションの時間を取ること
●治療期間と治療費を患者さんにつたえること
●結果にこだわり、経過を診ること

デンタルX線について
撮影は、被写体がフィルムの中に完全に収まり、両隣在歯が完全に写り、咬合平面がフィルムの線と平行にし、被写体が実物大で変形していないこと、被写体のそれぞれの線が鮮明かつ明瞭であることです。
そして正常な歯周組織のデンタルX線像を把握していることで、それは歯根全体が歯槽骨内に植立され、鮮明な歯槽骨頂線の連続性が確認され、鮮明な歯根膜線と歯槽硬線が可能な限り薄く均等な幅で確認でき、鮮明かつ明瞭な歯槽骨梁が 認められることです。
正常像を理解していなければ、異常や病変は発見できません。

エンド・ペリオ病変は、T型であるエンド由来型、U型であるエンド・ペリオ由来型、V型であるペリオ由来型の3種類に分けられます。
T型のエンド由来型が疑われる場合では、まず根管治療を行いSRPは根管治療が終了し再評価後に必要があれば行い、患歯を不用意に触って歯根膜を傷つけないことが重要なことです。
U型であるエンド・ペリオ由来型の併発型では、一般的には根尖病変に対するアプローチを優先して行い、根尖病変の縮小を待ってから歯周組織再生療法などを行いますが、根尖性歯周炎と辺縁性歯周炎のそれぞれの病変が交通してしまった場合の治療は困難となります。
V型であるペリオ由来型は、歯周炎の進行により歯頚部から根尖方向に向かって骨吸収が進み、根尖孔や側枝から歯髄に感染して上行性歯髄炎となるため根管治療後に歯周組織再生療法が必要となることがあります。

インプラントサミット2019 出席

2019.3.24(日)

本日、インプラント大手メーカーインプラテックス主催の「インプランテックスインプラントサミット2019」に参加して参りました。

〈演題〉

●「インプラント周囲炎とは」
弘岡秀明先生
東北大学大学院歯学研究科補綴分野臨床教授

●「インプラント周囲炎の治療:エビデンスに基づいた治療法とは?」
Stefan Renvert 教授
Hong Kong大学名誉教授

●「Peri-implantitis 予防・対処を意識した植立手術と治療計画」
古賀剛人先生
長崎大学歯学部非常勤講師

●「外科・補綴プロトコルを変えないインプラント選択のメリット」
越智守生教授
北海道医療大学歯学部歯科補綴学第2講座教授

以上の演題については、インプラント周囲炎とその治療法については前のブログに掲載した明海大学教授 申先生による「インプラントのメインテナンスとインプラント周囲炎疾患への対応」と重複するので割愛させていただきます。

●脆弱な骨に対するシステマチックな対応法
椎貝達夫先生
東京医科歯科大学インプラント科臨床教授

先日行われた日本口腔インプラント学会関東甲信越支部学術大会で椎貝先生がご講演された「骨造成法の過去から現在」とほぼ同じ内容から始まりました。
以前も述べたように、かなりのボリュームをつけたGBRを行った症例のほとんどでも、10年以上経過すると造成した骨のほとんどは消失していました。
骨補填材のβ-TCPは吸収しますが、バイオオスは吸収しないとされていましたが10年経過症例ではほとんど吸収を起こしておりました。
唇則的なボリュームはなくなりそれに伴い歯肉退縮を起こしてフィクスチャープラットホームも露出していました。
インプラント体全周が骨内に埋入されていないフィクスチャーは、骨造成しても結局吸収を起こしているのです。
椎貝先生が推奨するのは抜歯即時埋入で、抜歯窩の頬側皮質骨が吸収する前にインプラントを埋入しインプラント頬側の骨の吸収を可能な限り抑制するという方法です。
当クリニックでも10年ほど前から導入している椎貝先生が御考案されたT’s ボーンスプレッディングを使用して、抜歯後ドリリングをほとんどせずインプラント窩を拡大して埋入するという方法です。
従来の方法では抜歯窩口蓋側の骨を起始点としてスプレッディングで拡大していくと、どうしても口蓋則の硬い皮質骨がスプレッダーの埋入角度を頬側に誘導してしまいインプラントの埋入角度が唇則傾斜してしまいました。
今回発表されたのは以前の方法を改善したもので、抜糸窩口蓋則の鋭利な骨を専用のバーでフラットに削合し、そのフラット面を起始点として拡大すればスプレッダーの唇則傾斜が誘導されないという方法です。
特殊なバーで先端のみに刃先がフラットについているバーで、講演終了後に出店コーナーで注文しましたが、まだ開発中で近々販売すると言うことでした。

愛犬どんぶり君と1泊旅行

2019.3.20(水)


愛犬のどんぶりと妻と私の3人で、軽井沢にあるペット同伴のホテル「レジーナリゾート旧軽井沢」に行ってきました。
最近暖かくなってきたので暑がりのどんぶり君のために、寒いところに連れて行ってあげようと軽井沢にしました。

さすがに標高がたかいため、この時期でも最低気温がマイナス1度とどんぶり君にとって最高の環境でした。(このように寒いのでロビーには暖炉です。)
ところがホテル内は軽井沢という立地上、床暖房が設置されていてどんぶりが舌をハーハーするぐらい暖房がビンビンに効いていました。

寝る前に床暖房を切りましたが、夏でも涼しいところなので小さな冷房が1つ設置してあるだけで、強冷にしてもどんぶり君にとっては全く効かず。
深夜になってもどんぶり君は暑がって部屋中をさまよい、バスルームの冷たいタイルの上で寝てようやく落ち着きましたが、バスルームの扉が閉まってしまい不安になって「開けてくれー」とワンワン吠えるので夜中に開けに行きました。
しばらくするとまた扉が閉まり、また吠えたので開けに行きました。
これを繰り返したので、もう部屋の窓を全開にしました。
外はマイナス1度です。
結局、みんな朝まで寝られませんでした。
どんぶり君も私たちも一体何をしに行ったのかわからない旅でした。

東埼玉歯科医師会セミナー「インプラントのメインテナンスとインプラント周囲炎疾患への対応」

2019.3.9(土)

本日、東埼玉歯科医師会主催のセミナー
「インプラントのメインテナンスとインプラント周囲炎疾患への対応」
講師 明海大学教授 申 基武謳カ
に出席いたしました。

インプラントを埋入した場合、経年変化により様々な合併症を生じてきます。
学会の発表や論文などで、しばしばインプラント生存率が何パーセントであったなどとグラフで表示されますが、それは成功率とは大きくかけ離れたデータです。
インプラント生存率とは、埋入されたインプラントが脱落していないパーセンテージを表します。
したがって、インプラント周囲炎により高度に骨吸収を起こしたインプラントでも生存率のうちに含まれてしまうのです。
脱落せず口腔内に存在しているだけで、生存とカウントされているわけです。
一方、成功率とは、生存率のように存在しているだけではカウントされず、高度の骨吸収はもちろんのこと中等度の骨吸収も成功とはカウントされません。
では、軽度の骨吸収はどこまで成功と言えるのかは、現在のところ非常に曖昧です。
また、骨吸収に限らずその他の合併症についても同じことが言えます。

1998年のトロント会議で、インプラント治療成功の基準として
●患者、歯科医師共に満足する機能的、審美的な上部構造を支持していること
●インプラントに起因する痛み、不快感、知覚の変化、感染などがないこと
●非連結状態のインプラントに動揺がないこと
●機能開始1年以降のインプラント周囲の垂直的骨吸収量が年間で0.2mmであること
となっております。
垂直的骨吸収量以外は、客観性に欠ける基準です。
ざっくり言って、インプラント成功と言えるのは合併症がなく機能しているものですが、
合併症と言っても様々なものがあり、外科的合併症・生物学的合併症・医原性合併症・補綴学的あるいは機械的合併症・審美的合併症・発生学的合併症などがあります。

日本歯周病学会口腔インプラント委員会が歯周病専門医・指導医を対象にした「インプラント治療に関するアンケート調査」では
インプラント周囲炎に関しては19%と合併症のトップとなっています。
次いで多いのは、なんと歯周病専門医以上の歯科医師でもインプラント初期の脱落が13%もあったとのことです。
その他、歯肉退縮・審美的障害・アレルギー・アバットメントの緩みと破折・オクルーザルスクリューの破折などです。
上部構造の破折やスクリューの緩みなどは、頻繁に起こりうることで、これらの合併症を全てクリアできているものは、非常にわずかであると考えられます。
少数の合併症としては、インプラント体の破折・上顎洞、下顎管、副鼻腔への穿孔・止血できない出血・知覚麻痺やしびれなどとなっています。

インプラントによるこのような合併症や偶発症の中で、インプラント手術および機能的審美的な上部構造も問題なく成功した場合でも、合併症として必ずついて回るのはやはり生物学的合併症です。
初期には、インプラント周囲粘膜の炎症や出血・腫脹に始まり、周囲粘膜の裂開や退縮、そして感染しインプラント周囲疾患となりインプラント周囲粘膜炎からさらに進行してインプラント周囲炎になり骨吸収が進み最後はインプラントの脱落となっていきます。
これまでインプラント周囲の疾患としては、インプラント周囲炎しか定義されていませんでしたが、新たな分類として
1 健康なインプラント周囲組織(Peri-implant health)
2 インプラント周囲粘膜炎(Peri-implant mucositis)
3 インプラント周囲炎(Peri-implantitis)
4 インプラント周囲の軟組織・硬組織の欠損(Peri-implant soft and tissue deficiencies)
新たに追加されたのは、2のインプラント周囲粘膜炎(Peri-implant mucositis)です。

1健康なインプラント周囲組織(Peri-implant health)
口腔内細菌の暴露下において、細菌の攻撃と宿主応答との間に均衡が保たれている状態で、インプラント周囲粘膜は、プラークや様々な病原因子から結合部を保護する防壁として働いている状態のことです。
臨床的には炎症の兆候がなく、プロービング時に出血や排膿もなく、前回検査時よりもインプラント周囲ポケットが深くなっておらず持続的な骨欠損がない場合です。
歯肉ポケットに関して、天然歯と異なるのは天然歯の場合は生物学的幅径(Biological width)により2〜3mmまでが健全歯肉とされていますが、インプラントの場合はインプラントの埋入深度によりポケットの深さは様々であるため、天然歯で言う4mm以上が異常とは言えないので、前回のポケット測定値よりも深くなっていないかを基準としています。

2インプラント周囲粘膜炎(Peri-implant mucositis)
新たに追加された分類で、健康な歯肉組織から炎症が進んでいるがインプラント周囲炎には進行しておらず、支持骨の喪失が見られない状態のことで、機能しているインプラント周囲組織の可逆的な炎症性の反応の段階です。
ポケット内壁は、一層のポケット上皮で覆われ、骨とは非炎症性の結合組織で区切られており、天然歯牙における歯肉炎と同様の状態です。
炎症性細胞浸潤は、プラークに対する初期の軟組織は、インプラント周囲粘膜と天然歯の周囲歯肉とで同様の応答を示す状態です。
臨床症状として、炎症の兆候を認め、プロービング時に出血あるいは排膿を認めるが、持続的な骨喪失がない状態です。
この段階を早期に発見し速やかに処置すれば、1の健康なインプラント周囲組織(Peri-implant health)に戻すことができます。

3インプラント周囲炎(Peri-implantitis)
インプラント周囲粘膜に炎症の臨床徴候があり、機能しているインプラント周囲組織の支持骨の喪失を伴う不可逆的な炎症性の反応に進行した段階です。
ポケット内壁は、天然歯牙の歯周炎は一層のポケット上皮で覆われ、骨とは約1mmの非炎症性結合組織で分離されているのに対し、インプラント周囲炎においては、上皮はポケット内壁を被覆せず、根尖側1/3はバイオフィルムと骨とが触接接触し、炎症病変が骨髄腔に達している状態です。
炎症性細胞浸潤は、プラークの蓄積期間の延長により、インプラント周囲では歯周炎と比較してより炎症が根尖方向に進行していきます。
臨床症状として、深いインプラント周囲ポケットとプロービング時の出血や排膿がありX線検査による周囲骨性吸収を認め、周囲粘膜の発赤・腫脹を伴うことがあるが伴わない場合も見られ、疼痛が起こる場合もあり不可逆的な段階の状態です。
天然歯牙の歯周炎の場合は、上記のように骨と約1mmの非炎症性結合組織で分離されているため進行は緩やかであるのに対し、インプラント周囲炎はプラークと骨とが触接接触してしまっているため、進行はかなり早くなります。
もはや1の健康なインプラント周囲組織(Peri-implant health)に戻すことはできず、良くても進行を緩やかにすることぐらいしか、現在のところできません。

インプラントを行う患者さんは、当然天然歯を喪失し補綴を必要としている患者さんです。その喪失の経緯がカリエスや歯牙の破損が理由であればインプラント治療にさほど問題はありませんが、歯周病が原因で喪失したとなるとそのリスクは大きくなります。
カリエスや歯根の破折などで歯牙を喪失した場合では、そのほとんどは欠損部位の骨量は幅および深さ共に十分あり、骨造成する頻度もかなり減少するので、インプラント埋入初期の脱落のリスクの減少や上部構造装着後のインプラント生存率も高くなります。
ところが歯周病により歯牙を喪失した場合では、天然歯周囲の骨が著しく吸収した状態で抜歯をするわけですから当然欠損部の骨量は幅も深さもなくなっているので、選択するインプラント体のサイズもショートインプラントになったり、径も細いものに選択せざるを得ません。
また、骨幅も狭くなってしまっていることがほとんどなので骨造成を行う頻度も高くなります。
それとなんと言っても歯周病患者のインプラント治療のリスクでは、口腔内細菌の問題があります。
それでは歯周病患者へのインプラント治療は可能であるのかということになりますが、非歯周病患者と比較して合併症であるインプラント周囲炎の発症のリスクは2.21倍でインプラント喪失のリスクは1.89倍というデータが出ております。
非歯周病患者の約2倍という高いリスクですが、そもそも歯牙の喪失のほとんどは歯周病が原因です。
何らかの補綴が必要ですが、従来の可撤性義歯やブリッジでは支台歯にかかる負担が大きいため、さらに欠損歯の拡大につながっておりました。
インプラントでの補綴では、天然歯に負担をかけないどころか天然歯の負担の軽減につながるため、天然歯の寿命も長くなります。
歯周病患者のインプラント治療では、インプラント周囲炎のリスクはありますが、天然歯の保護につながるためトータルで考えれば禁忌ではありません。
しかし、インプラントのメインテナンスと残存歯の歯周治療を十分に行うことは必須です。

それではインプラントのメインテナンスとインプラント周囲炎への対応ですが、現在のところインプラント周囲炎治療に何が最も有効であるかという信頼のあるエビデンスはありません。
天然歯の歯周治療では様々な治療法が確立されており、近年ではGTRやエムトゲインなどの再生療法などもありますが、インプラント周囲炎においては有効な治療法がない故、発症しないようにメインテナンスを十分行い予防するしかないのが現状です。

インプラントのメインテナンス時の一般的検査項目として
●全身、生活習慣、口腔内の状況の把握
●口腔衛生に対するモチベーションの確認を行う

術者が行う検査事項として
1 プラークや歯石の付着状況
2 周囲粘膜の炎症の有無
3 プロービング時の出血
4 プロービングの深さ
5 滲出液や排膿の有無
6 インプラントの動揺
7 咬合状態の検査
8 アバットメント、連結部、スクリューの検査
9 X線検査
などを行います。

1 プラークや歯石の付着状況
改良型プラークインデックス(mPII)
●プローブを用いて視認できない辺縁部のプラークを擦過して確認する
●プラークが確認されない場合のスコアは0
●上部構造辺縁部へのプローブの擦過によりわずかにプラークが検知される場合は1
●肉眼的にプラークが確認できる場合は2
●多量の軟質物質の沈着が見られる場合は3

2 周囲粘膜の炎症の有無 3プロービング時の出血
改良型サルカスブリーディングインデックス(mSBI)
●プローブの擦過による辺縁部の出血を評価する
●上部構造辺縁部へのプロービングによる出血が認められない場合のスコアは0
●孤立した出血点が見られる場合はスコア1
●粘膜縁に沿った線状の出血線はスコア2
●多量の出血があった場合はスコア3

4 プロービングの深さ PPD(peri-implant plobing depth)
●インプラントのプロービング方法は、使用するプローブが金属製のものとプラスティック製のものとで値は大きくことなるため
メタルプローブではなく専用のプローブ先端径約0.5mmのプラスティックプローブを使用する
●プロービング圧は0.2〜0.25Nで行う
●天然歯のプロービングと異なり、成功したインプラントでも通常3〜4mmのPPDは存在し、また種々の条件により測定のばらつきが大きいので、上部構造装着前のプロービングデプスをそのインプラント埋入部位の基準値としておき、経時的なPPD増加量が問題点となるので、デプスのみでの判断はできない
●プロービングを上部構造を外しアバットメントを装着したまま行った場合とアバットメントも外して測定した場合のプロービングデプスに差はほとんどないが、上部構造を装着したまま行った場合と外した場合とではデプスは2mm前後の相違が見られるため、正確な測定値を得るためには上部構造の除去が必要
(しかし、除去することによりインプラント接合部の結合組織の破壊を伴うので頻繁に行うことは望ましくないと私は思います。)

5 滲出液や排膿の有無
●プロービング時の出血は、インプラント周囲疾患と高い相関性があり、継続的な出血は支持骨の喪失につながる可能性があり、排膿も同様のことが言える

6 インプラントの動揺
●インプラントの動揺はインプラント周囲炎末期の状態なので速やかに撤去する必要があるが、アバットメントスクリューの緩みやスクリューの破折による上部構造の動揺がほとんど

7 咬合状態の検査
●歯周病患者は骨量の減少により、C/I比が悪化していることが多いため、側方荷重やインプラント本数不足、傾斜埋入、パラファンクションなどがリスクファクターとなるので十分注意が必要
●また、インプラント体は天然歯の直径よりはるかに細いため、上部構造が頭でっかちの形態となり、インプラント体上の外周部の咬合面(すなわち上部構造の直下がインプラントのプラットホームに支えられない部分)は、事実上カンチレバーとなるため、咬合圧は上部構造の中心にかけることを心がけることが必要
●フラクチャーにより咬合面形態が変わり、側方圧がないかチェックし場合によっては上部構造の再製作が必要

8 アバットメント、連結部、スクリューの検査
●アバットメントスクリューに緩みがないか
●セメントリテインの場合は、外れている部位がないか確認し外れているなら撤去して装着し直す必要あり
(そのような場合に備えてセメントリテインの場合は仮着セメントが望ましい)
●連結部に劣化がないか、連結部は破折していないか
●スクリューが折れていないか
●スクリューの対応年数は約10年と言われているので、10年経過した場合は新しいスクリューに交換した方が良い

9 X線検査
●周囲炎が疑わしい場合はX線写真では近遠心の骨吸収しか確認できないため、CT撮影も必要

愛犬どんぶり君と筑前屋さんの店長さんと2ショット

2019.3.2(土)

今夜、愛犬のどんぶり君(ニューファンドランド オス5歳)と散歩がてら草加の筑前屋さんへ行ってきました。
暑さにはとことん弱いどんぶり君ですが、寒い冬場は絶好調!
この寒い時期の土曜は草加まで遠征します。
さすがに草加まで行くと私もどんぶり君も一休みのため、草加の東口の筑前屋さんで休憩をとります。
筑前屋さんでは、今やどんぶり君はアイドルで看板犬になりました。
店員さんも私がお店に入ると、黙っていてもどんぶり君用の氷水をジョッキに入れてもってきてくれます。

写真はいつもニコニコしている筑前屋さんの店長さんで、どんぶり君が来ると必ず仕事をそっちのけで、撫でに来てくれます。
どんぶり君も店長さんのことが大好きで、店長さんにお尻をくっつけて座ります。
犬がヒトにお尻をつけてそっぽを向く行為は、信頼している人にしかしない行為です。

普段の散歩は、夕方に妻が稲荷町の葛西用水まで行って、私は歯科の仕事が終わるのが夜間診療後の9時半ぐらいになるので、それから食事を済まして散歩に出かけられるのが、夜の11時ぐらいになります。
私の普段の散歩は草加までは行きませんが、自分の健康のためにも八潮の南後谷の手代橋の手前まで行きます。
早歩きして往復で約1時間30分かかります。
因みに草加駅までだと往復1時間50分かかります。

普通の犬なら1日に2回も散歩に行ければ大喜びすると思いますが、どんぶり君はすでに夕方に妻と散歩に行っているので、省エネ思考のどんぶり君は私との散歩を嫌がります。
私が夕食を済ませて散歩の支度を始めると、どんぶり君は散歩させられるのを察知して妻の後ろに隠れます。
リードをかけて散歩に行こうと引っ張ると座ったままガンとして動こうとしません。
無理矢理リードを引っ張り玄関まで連れて行きますが、また玄関で座り込んで抵抗します。
私と妻で説得してようやく散歩に行くことができます。
ひとたび外に出ればいろいろな匂いを嗅ぎ、マーキングし、うんちもして楽しそうなのに、
この抵抗を毎回やる面倒くさい犬です。

どんぶりの排便には傾向があり、必ず散歩の往路でしかしないのと、必ず車道でしかしません。
時々排便中に車が来て、運転手さんは気を遣ってくださって終わるまで止まって待ってくれることがあります。
子供の頃はなぜか路肩をまたいで路肩の上にうんちをしていました。
理由はわかりません。

雨が降らなければ、土曜の夜の10時前後はどんぶり君と草加の筑前屋さんにいるので声をかけてください。
春になり桜が咲く頃は、暖かくなるのでどんぶり君の草加遠征も終わりを迎えます。
筑前屋さんに行けるのもそろそろ終わりで、その後は今年の11月ぐらいになるでしょう。

糖尿病と歯周病に係る医科歯科連携推進講習会

2019.2.28(木)

埼玉県歯科医師会主催の「糖尿病と歯周病に係る医科歯科連携推進講習会」を受講いたしました。

1960年代から糖尿病と歯周病との関連がすでに報告されており、現在では歯周病が糖尿病を憎悪させるリスクファクターであることが明らかになり、歯周病により血糖コントロールが改善することが指摘されています。

講演1
「埼玉県における取り組みについて」
講師 埼玉県保健医療部健康長寿課 小泉信秀 主査

講演2
「埼玉県における糖尿病重傷か予防について」
講師 埼玉県保健医療部健康長寿課 赤岩稔之 主査

講演3
「研修資料(平成29年度糖尿病と歯周病に係る医科歯科連携推進講習会から作成)を活用して地域における連携について」DVD
講師 埼玉県歯科医師会地域保険部副部長 北原俊彦 先生

DVD講演
「糖尿病を知る」
講師 さいたま市医療センター院長
   埼玉県医科歯科連携推進会議糖尿病連携作業部会委員
   加計正文 先生

糖尿病の原因と症状
糖尿病を放置した場合の合併症について
糖尿病昏睡(高血糖成功浸透圧昏睡・ケトアシドーシス昏睡)
細小血管障害による腎症・網膜症・神経障害
大血管障害による動脈硬化・脳卒中・心筋梗塞・壊疽
そして歯周病があげられる
糖尿病腎症では、通常では尿中にタンパクはほとんど出てきませんが、糸球体にわずかな障害が起こると尿中に排出されてきます。
尿検査には尿中微量アルブミン、尿タンパクがあり、血液検査ではクレアチニン、尿素窒素などがあり、定期的に尿検査や血液検査で腎症の確認を行った方が良い。
糖尿病神経障害では、神経伝導速度、心電図検査、アキレス腱反射、振動覚検査、触覚検査(モノフィラメント)、規律時血圧変動などがあります。
糖尿病網膜症では、網膜〈眼底〉に異常が起こるので、糖尿病とわかった場合は、眼科で眼底検査を受ける必要があります。

「歯周病を知る」
講師 明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野教授
   埼玉県医科歯科連携推進会議糖尿病連携作業部会委員
   申 基普@先生
歯数が少ない人ほど穀類・イモ類を多く摂取する傾向があり、これは咀嚼しなくても食べられるためで、ナッツ類はほとんど摂取できず栄養バランスが偏り、さらに糖分の摂取量が多くなるため肥満につながり、糖尿病が悪化する悪循環になります;
そして歯牙の本数が多い人ほど生存年数が長く、認知機能の低下も少ないことがわかっています。
また、義歯を使用していない人は転倒のリスクが高いこともわかっています。

歯周病と全身の健康との関わりでは、口腔の健康と全身の健康は密接に関連しており、歯科医療によって様々な疾病のリスクを抑制できることが明らかになってきています。
歯周病により糖尿病が悪化し、逆に糖尿病の第6の合併症として歯周病があげられます。
そのほか歯周病によるリスクとして、心臓病を引き起こすリスクが通常の3バイトなり、低体重児出産のリスクは通常の7倍以上、骨粗鬆症で歯周病が進行するリスクは通常の2倍となっております。
また、動脈硬化・脳梗塞・アルツハイマー型認知症・パージャー病、歯周病菌が原因による誤嚥性肺炎など様々な疾病を引き起こすリスクがあります。
歯周病は歯周ポケットが深化していく病気ですが、もし28歯に歯周ポケットの深さが5mmあるとその炎症の総面積は約72p²となり、これはおよそ成人の手のひらサイズの面積に匹敵し、常にこの大きさの炎症を起こしていることになります。
当然、常にこのサイズの炎症があれば、体力の減衰や抵抗力の低下を起こし全身にも悪影響を及ぼします。

糖尿病と歯周病の双方向性として、糖尿病と歯周病は互いに負の影響を与え、糖尿病患者は健常者と比較して歯周病の有病率が高くより重症化しやすく、歯周病患者は非歯周病患者と比較して糖尿病の有病率や発症リスクが高く、歯周炎の重症度が高いほど血糖コントロールが困難になることがわかっています。
糖尿病患者の歯周組織の特徴は、歯肉に強い炎症が見られ、歯周ポケットも深く急激な骨吸収を伴い頻繁な膿瘍を形成し、創傷の治癒も悪く易感染性です。
いまや歯周病は全身疾患とも言え糖尿病の合併症の一つでもあります。
歯周病も沈黙の病で初期では自覚症状はなく、中等度になってやっと歯肉の発赤や腫脹で歯科医院を訪れることが多いかと思います。
特に喫煙者は歯肉の血管が細くなり、中等度に歯周病が進行しても腫脹や発赤が目立たないため放置しがちです。
歯科医院で定期的に歯周ポケットを測定してもらうことが早期発見につながります。

本日、学会発表しました。

2019.2.11(月)

本日、日本口腔インプラント学会関東甲信越支部学術大会2日目に行って参り、学会発表いたしました。
この度、埼玉インプラント研究会で草加でご開業されている久野敏行先生のご厚意により本大会で学会発表させていただく機会をいただきました。
久野先生には大変感謝しております。

〈学会発表内容〉
下顎遊離端欠損部にブレードインプラント治療を行った30年経過症例  
〇清澤 仁1) 久野貴史1) 勝沼孝臣1) 小林良誌1) 小林由紀枝1) 中山博登1) 菅原嵩大2) 久野敏行1,3)
NPO法人埼玉インプラント研究会1), 関東・甲信越支部2),埼玉医科大学総合医療センター口腔外科3)
   A case of 30 years’ blade implant treatment in mandibular free end missing
〇KIYOSAWA H1), KUNO T1), KATSUNUMA T1), KOBAYASHI Y1), KOBAYASHI Y1),
NAKAYAMA H1), SUGAHARA T2), KUNO T1,3)
NPO Saitama Implant Association1), Kanto-Koshinetsu Branch2), Department of Oral and Maxillofacial Surgery
Saitama Medical Center, Saitama Medical University3)

T 目的:
 インプラント治療の初期にはLinkowによるブレードインプラント治療も多く行われていた.症例によってはインプラント周囲の骨吸収を伴ったインプラント周囲炎,インプラント体の沈下等でインプラント体が撤去された症例もあったと推測される.今回、ブレードインプラントを埋入し上部構造装着後,30年以上機能している症例を経験したのでその概要を報告する.

U 症例の概要:
患者:45歳8カ月 女性. 
初診:1988年2月2日.
主訴:下顎左側臼歯部欠損による咀嚼障害.
既往歴:特記事項なし.
現病歴:数年前に下顎左側臼歯部に局部義歯を装着した  
    が違和感と疼痛のため,使用出来なかった. しか  
    し, 左側での咀嚼機能を回復したいと思い当医院
    に来院.
現症:全身所見は特記事項なし.
   口腔内所見:歯周組織は比較的良好であった.
36,37は欠損していた.
エックス線所見:下顎左側大臼歯部の歯槽骨の高さ,骨質  
        は良好であった.
診断:36,37の欠損.
治療内容:
歯周基本治療後,1988年5月に下顎左側臼歯部に局所麻酔下で切開,剥離後に骨面を露出させ36,37相当部に幅約1o,長さ約20o,深さ約10oの溝をカーバイドバーにて形成し,Park Dental社製(米国)ブレードインプラントを埋入した. 同年6月に34,35とインプラントを連結したブリッジをセメント合着し治療を終了した.

V 経過:
患者は6カ月毎のメンテナンスで来院しており比較的口腔内は良好であった. 2010年10月(上部構造装着22年4カ月後)までは異常は認められなかったが, 36相当部の歯槽骨の増加が認められた.
2011年2月(23年9カ月)に34,35の齲蝕ため根管処置を行い,咬合面をレジン充填した.その後,上部構造が不適合になったため2012年2月に同部を再製した.
2017年7月に35の歯根破折のため同部を抜歯をした.同年9月, 34とインプラントを連結したブリッジをセメント合着した.CBCTではインプラント体周囲には著しい骨吸収は認められず,骨量は十分に認められた.
その後, 歯軋りのためナイトガードを装着し,3カ月ごとに来院している.2018年8月(上部構造装着30年2カ月)経過良好であった.

W 考察および結論:
 ブレードインプラントはインプラント周囲炎,インプラント体の沈下,連結した歯の破折を起こし撤去されることがあった.本症例では35の歯根破折はブラキシズムが原因と推測され抜歯になった.
 また支台歯の歯根破折により上部構造を再製作したが,30年以上長期に機能した.これは片側遊離端欠損のインプラント補綴治療で,残存歯が多数存在し,咬合高径が維持され,インプラント体埋入部位の骨量が十分存在し,口腔内清掃が良好であったため長期にインプラントが機能していたと考えられた.

以上が発表内容で発表4分質疑応答が2分でした。

1980年代初期にブレードタイプのインプラントが一世を風靡しました。
まだオッセオインテグレーションタイプインプラントは出回っておらず、ブレードタイプが主流でした。
日本でも京セラがバイオセラムインプラントを販売し、インプラントが日本の臨床家に多く広められました。
私もその一人で1985年に勤務先の院長が、京セラのブレードタイプインプラントを始めたのがきっかけです。
そして1986年に初めてこの京セラのサファイアインプラントを埋入しました。
当時の適応症は学会発表と同様に下顎の遊離端欠損で、犬歯は必ず存在することが前提で行っておりました。
そして、今では行わないインプラントと天然歯の連結が必要で2本以上の天然歯を連結させるのも条件の一つでした。
術式はインプラントを埋入し1週間後に抜糸を行って、すぐに印象採得して、天然歯とインプラントを連結した上部構造を作成してセメント合着するというものです。
今でいう即時荷重に似ていますが、これはすぐに上部構造を作成して天然歯によりブレードインプラントを固定するという意図であり、即時荷重とは概念は異なります。

また歯内骨内インプラントといって、主に上顎前歯部において歯周病や歯牙の脱臼などで動揺してしまった歯を固定するための長い棒状のインプラントもありました。
私もこの歯内骨内インプラントは、一症例行ったことがあります。
当時患者さんは50歳男性で歯周病により上顎中切歯2本の動揺で来院しました。
スーパーボンドでの固定を行いましたが、動揺のためすぐに固定は外れ1週間に1回は再固定していました。
そこで歯内骨内インプラントを提案し施術しました。
該当歯を抜随後、根管をドリリングしてなんと根尖部も穿孔させてしまいます。
根尖から約10mmまで骨を穿孔させ、直径3mmぐらいの棒状のサファイアインプラントを槌打して歯牙を固定します。
その後歯肉剥離掻爬術を行いポケットは著しく改善され、動揺もほとんどなくなりました。

また、スエーデンのブローネマルク先生によるオッセオインテグレーテッドインプラントが発明され、日本で普及したのはスイス製のITIインプラント(現在のストローマン社)でした。
当時はこのITIインプラントを購入するためには、2日間のセミナーを受講しなければならないのが前提でした。

私も1996年にこのセミナーを受講し、京セラのバイオセラムインプラントからITIのインプラントに切り替えました。
今ではインプラント体に穴など開いていませんが、当時は中空スクリューと言ってインプラント体に多数の穴が開けられていたものもありました。
このタイプはブレードインプラントと同様に槌打式で埋入するもので上顎の海綿骨など条件の悪い骨の場合に、インプラント体の内部にまで骨を侵入させてオッセオインテグレーションさせる面積を拡大する意味合いがありましたが、中空になっているためインプラント体の破折が続出したため製造中止となりました。
現在のインプラントの形態のものは、当時は充実スクリューと呼ばれておりました。
すでに現在のインプラント体の完成形でしたが、オッセオインテグレーションするようにインプラント体の表面性状をTPSにしてそれから現在のSLAとなりSLActiveも販売されました。

私は1997年にストローマン社製のSLAを初めて埋入し、それから22年経過しましたが全く骨吸収がなく良好な結果を得ております。
私自身もインプラントを入れておりますが、その結果を見て迷わずストローマン社製のインプラントスタンダードプラスSLActiveロキソリッドをストローマンインストラクターの高橋先生に埋入してもらいました。
経過は良好です。

インプラントが普及し始めた1980年代はブレードインプラント、骨膜下インプラント、現在普及しているスクリュータイプインプラントなどがあり、今から思えば、まだインプラント治療は確立されているとは言えませんでした。
当時の歯科界では、インプラント治療に疑問を持ち反対する先生も多くおりました。
今回発表させていただいたブレードタイプインプラントが30年以上に渡り良好な経過が得られているのは、まれなケースだと思います。
ほとんどのブレードタイプインプラントは、インプラント体の沈下や連結した歯牙の破折などで撤去されております。
これは、現在のスクリュータイプのインプラントと異なり、オッセオインテグレーションするわけではなく、ブレードインプラントは埋入後インプラント体周囲に一層の結合組織で覆われているだけだとわかっております。
それ故に骨と直接接触しているわけではないので骨吸収が起こりインプラント体の沈下が起きると考えられます。

ブレードインプラントは過去の遺物となりましたが、現在のオッセオインテグレーションタイプのインプラント体ではこのような問題は起こらないため長期安定性があり、ほぼ歯科治療の1つとして確立されました。
今やインプラント治療は、ブリッジや部分義歯そして総義歯に変わる補綴治療の第一選択の一つとも言えます。
しかし、確立されているのは良好な骨質と十分な骨量にインプラントを埋入した場合に限ると私は思います。

現在では骨量が不足している場合は、様々な骨造成法がありほとんどのケースでどんな部位でもインプラント埋入が可能となりました。
しかし、骨造成を行ったインプラント埋入の10年経過はというと、学会講演で椎貝達夫先生が発表していたように決して良好な経過を保っているとは言えません。
骨造成に関しては、まだ確立はされていないのです。

ブレードインプラントが普及した頃、私も含め施術をしていた先生方は誰もが反永久的とは思いませんが、長期安定性はあると信じてインプラント治療を行っていたと思います。
ところが10年以上経過してみれば、上述のようにインプラント体の沈下が起こり、ひどい場合にはインプラント体が下顎管の中まで入り込むケースもありました。

現在のオッセオインテグレーテッドインプラントに関しては、十分な既存骨に埋入すれば、長期安定性は確立されていると思われます。
しかし、現在頻繁に行われている骨造成であるGBR法・骨移植・上顎洞挙上術・スプリットクレスト法などは、まだ長期安定性が確立されているとは思えません。
また、骨造成に限らずオールonフォーやザイゴマインプラントなども同じことが言え、失敗した場合は悲惨な結果となります。
従って過去のブレードインプラントの失敗を教訓に、骨造成を行う場合などは安易に行わず、患者さんにリスクそして10年経過の予測なども含め十分な説明と理解のもと行う必要があるのではないでしょうか。

日本口腔インプラント学会学術大会1日目

2019.2.10(日)

本日、日本口腔インプラント学会 第38回関東甲信越支部学術大会に出席して参りました。

〈講演内容〉

「簡便で効果的で安全で安価な骨造成法の可能性」
春日井昇平先生
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科インプラント・口腔再生医学分野教授

埼玉インプラント研究会でもたびたび講演をされる先生の講演です。
インプラント治療において必ず遭遇するのは、患者さんの骨量不足におけるインプラント埋入手術です。
近年では、骨量不足による対処法として骨移植やGBR法やスプリットクレスト法など様々な技法が進歩しており、また移植骨も自家移植はもとより、多種の人工骨が販売されており、GBR法における遮断膜も非吸収性・吸収性のものやオープンメンブレンそしてチタンメッシュなど多種多様のものがあります。

人工骨においては自家骨の代わりとして使用されていますが、外科的ダメージを軽減するためと口腔内からの自家骨採取では十分な量の骨が採取できない場合の補填的な目的があります。
人工骨には動物由来のものや化学合成物質などのものがあります。
しかしながらやはり自家骨がゴールデンスタンダードで、自家骨に勝る人工骨はありません。
医科の分野で進歩を遂げてきている再生医療は、インプラント治療においても自己血を採取したCGFなどを使用して治癒促進に応用されております。
今後は発展を遂げている再生医療に於いて細胞単位で骨を増殖させることを試みている発表でした。

「骨造成法の過去から現在」
椎貝達夫先生
東京歯科大学口腔インプラント学講座臨床教授

数年前にこの先生の骨幅を拡大するインプラント埋入法であるボーンスプレッディング法のセミナーを受講しました。
骨量不足のインプラント手術に於いて、骨造成は行う治療法は当たり前になっております。
垂直的骨造成法にはGBR法が主となり、そのほかにブロック骨移植やスプリットクレスト法などがあります。
移植材料としては自家骨が最も適した骨補填材料ですが、様々な制約によりそれに変わる人工骨材料が販売され臨床応用されています。
数年前まで日本で承認されていなかった牛骨以来の骨補填剤のバイオオスも日本でやっと認可され広く使用されるようになりました。
インプラントロジストの中ではこのバイオオスが人工骨の中で最も成績が良く優れているということですが、問題は非吸収性であることから結局骨には置換されないということとペリインプラタイティス(インプラント周囲炎)になった場合、残留しているバイオオス部に感染が波及し、感染を食い止めることができなくなる懸念があります。

椎貝先生が以前行ったGBR法の症例をご紹介され、相当量のバイオオスや自家骨を補填した症例でも10年経過するとボリュームのあった唇則骨量もほとんど消失しており、自家骨はもとより、吸収しないとされていたバイオオスも吸収されるという症例でした。
結論としては、GBR法ではどんな移植材料を使用しても造成した骨はいずれ消失していますということです。
(ただし、上顎洞挙上術のようなインプラント体の全周に骨が存在するケースでは吸収はするもののインプラントの維持に関しては問題はないとのことです。)

GBR法では露出したフィクスチャー部には既存骨ではなく補填した骨あるいは人工骨で接しているため、骨吸収が進行すると考えられます。
そうなると椎貝先生の手法であるボーンスプレッディング法あるいは最初に開発した大口先生のOAM法(大口式埋入法)であれば、インプラント体周囲は皮質骨で全面覆われるため著しい骨吸収は防止できるとのことです。
椎貝達夫先生の実際の症例でもボーンスプレッディング法で埋入したインプラント体は骨の吸収はあるもののGBR法で行った症例よりはるかに骨は残っています。
そのため椎貝達夫先生が推奨する方法では、骨幅の少ないケースではスプリットクレスト法で埋入し骨量がそれでも少ない場合は、幅を広げて間隙に補填剤あるいは自家骨を充填する方法で、なるべく抜歯即時埋入を行い唇則の既存皮質骨が吸収しないうちにインプラントを埋入することが望ましいとのことでした。

私自身も骨幅がないケースでは極力GBR法は避けて、スプリットクレスト法を行っておりますが、やってきたことが間違いなかったと改めて感じました。

「上顎洞堤挙上術におけるOCP Colによる骨造成の評価」
河奈裕正先生
神奈川歯科大学顎口腔インプラント科教授

骨補填剤には様々な種類の材料が販売されていますが、そのなかでもリン酸オクタカルシウムは、体内で新生骨の増成を促し、自家骨に置換するという補填材料です。
生体アパタイトの前駆体でヒト象牙質とマウス頭蓋骨内での存在が明らかにされているそうで、それを顆粒としてその合成に成功したそうです。
顆粒は骨補填剤と使用する際に操作性が非常に悪いのですが、この顆粒をブタ皮膚由来の医療用アテロコラーゲンとの複合体にした円盤状の塡入しやすい形態のものであるOCPを開発しました。
このCOPとは、ハイドロキシアパタイトやβリン酸三カルシウムと比較して生体内における溶解度が高く、その結晶は骨類似アパタイトへ転換することが確認されたそうで、HAやβ-TCPよりも骨芽細胞様細胞への分化促進能が高く、優れた骨再生能を発揮するそうで、自家骨や生体材料などと異なり合成材料であるため、免疫学的安定性に優れ、安定した供給も可能です。
特に上顎洞挙上術の側方アプローチに於いて、上顎洞粘膜が破れてしまった場合にコラーゲン膜でリカバリーしていたケースでも、このCOPを使用すればそのまま塡塞してコラーゲン膜の用途も発揮するという優れものです。
現在、認可待ちでもうすぐ販売が開始されるということなので、是非当クリニックでも臨床応用してみたいと思います。

「インプラント治療におけるデジタル化の理想と現実」
梅原一浩先生
梅原歯科医院院長

インプラント治療におけるデジタル化は、歯科用コーンビームCTを使用したガイデッドサージェリーやCAD/CAMシステムを応用したカスタムアバットメントや上部構造の製作が可能となりました。
過去の外科治療では経験豊富で高い技量が必要な場合でも、デジタル化によりその差は狭まりつつあります。
これは医療にとっては非常に大事なことで、匠の技がなければできないでは、医療としては成り立たちません。
インプラント治療のデジタル化は、一定の技量をもった術者ならほぼ安定した手術を行うことを可能としました。
CAD/CAMシステムにおいても、匠の技をもつ技工士しかできなかった補綴でもデジタル化により正確な精度で製作することが可能となりました。
印象に関してもラバー印象に代わり光学印象に変わりつつあり、今まで苦痛を味わった口腔内のトレーと印象材による嘔吐反射もなくなり、印象材料や模型製作の石膏硬化による精度のズレは全くなくなります。
特に多数歯欠損の症例では、有効です。

「デジタルを利用したインプラント治療の一気通貫」
十河基文先生
大阪大学大学院歯学研究科イノベーティブ・デンティストリー戦略室教授

歯科に於いて最もデジタル化が進んでいるのはインプラント治療で、コンビームCTの撮影に始まり、CTデータと口腔内模型とのマッチング、さらにそのデジタルデータをもとに最終補綴を模した診断用のCADワックスアップ、つづいてインプラント埋入シュミレーション、それを反映したCAD/CAMシステムによるガイデッドサージェリーの製作といわゆるトップダウントリートメントが可能となりました。
今までは、どこにインプラントが埋入できるか、埋入した後どのような補綴物を作成することが可能かという手法でしたがデジタル化の進歩により、まず理想的な補綴物を仮想して、それに合わせたインプラント埋入計画を行い、骨造成や再生療法の進化も伴いそれを可能にしました。
そして、補綴物の製作においても印象さえズレていなければ、CAD/CAMシステムを使用して模型通りの補綴物の作成も可能となりました。

「コンピュータガイデッド治療の臨床的優位性」
木津康博先生
医療法人社団木津歯科理事長

インプラント治療の成功には、確実な診査・診断に始まり外科処置・印象採得・補綴物の製作そしてメインテナンスにおいて全ての工程が重要となります。
この工程を全て完璧に行うのは至難の業であることも現実です。
これをできる限り可能にできるのが、デジタル化です。
まずコンピューターシミュレーションによる3次元的診査・診断・治療計画それを基にしたガイデッドサージェリーの使用による外科手術です。
CAD/CAMシステムによる上部構造も補綴におけるかなりの進化ですが、一番術者の技量によって左右されるアナログ的な要素であるのが外科手術です。
ガイデッドサージェリーの登場は一定の外科技術を備えていれば、ほぼシミュレーション通りに理想的な位置でインプラントを埋入することが可能となりました。
しかし、以前も掲載したようにガイドは正確に作成することは可能ですが、実際に施術するのは人間ですので誤差は生じることは忘れてはなりません。

明日は私が学会発表させていただきます。
演題は「下顎遊離端欠損部にブレードインプラント治療を行った30年経過症例」です。
 
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