国産インプラントメーカーのプラントン...
2018.10.14
国産のインプラントメーカーであるプラトンジャパンのエイトローブプロインプラントシステムを導入しました。
日本人向けに開発されたインプラントです。
当クリニックでは、プラトンのミニインプラントはすでに導入しておりましたが、これは下顎のインプラント義歯適用で、骨の軟らかい上顎では脱落することがあり適用できないことがありました。
比較的安価なインプラント義歯を希望される患者さんが多いため、今回、全てのインプラント体にマグネットアタッチメント装着できる国産メーカーであるプラトンのエイトローブプロシステムフルキットを購入しました。
当歯科クリニックでは磁性アタッチメントを使用したインプラント義歯の症例は数多く行っておりますが、当クリニックでマグネットが装着できるインプラントメーカーはスイス製のストローマン社とスエーデン製のノーベルバイオケア社そしてアメリカ製のジンマー社のスイスプラスを使用しておりました。
ストローマン社とジンマー社のマグネットが装着できるインプラント体は、1回法のものなので総義歯の場合は1回法ではインプラント体のヘッドが歯肉から露出するため、インプラントがオッセオインテグレーションするまでに外力が加わりやすく、脱落の危険がありました。
それを防ぐためストローマン社製とジンマー社製のインプラントの1回法のインプラント体を使用する場合には、インプラントを深く埋入した2回法を行い、インテグレーションするまでに外力がかからないようにしておりました。
それでも1回法のインプラント体はヘッドが飛び出しているので、どうしても歯肉を閉じてもインプラントのヘッドの分、埋入部位の歯肉が豊隆してしまい、埋入後に義歯の外力が加わらないようにどうしても義歯内面を大きくくり抜かなければなりません。
そのため、暫間的に使用する義歯の安定が悪くなってしまいます。
2回法のインプラントであるノーベルバイオケア社では、ヘッドが飛び出ないのでそのようなことはありませんが、マグネットの既製のキーパーがあるのは、ノーベルリプレイスの直径4.3mmのものなので骨の幅が狭いケースでは、使用できません。
直径4.3mmとなると日本人の骨格では、ほとんど奥歯の大臼歯部にしか適用できません。
外国製のインプラントは、日本人の細い骨格には向かないものが多いのです。
ジンマー社のスイスプラスは直径3.7mmで日本人には使用しやすい直径ですが、上記の通り1回法のインプラント体です。
同社の2回法のスクリューベントも3.7mmがありますが、既製のマグネットは愛知製鋼では製作しておりません。
今回導入した国産インプラントメーカーのプラトン社のエイトローブプロは、2回法インプラント体で直径が3.5mmと4.1mmそして4.7mmの3種類があります。
直径3.5mmのインプラント体は、骨の幅が狭い日本人にとっては、丁度都合の良い太さです。
また、インプラント長径も直径4.1mmと4.7mmのものは、6.5mmのショートインプラントもあります。
6.5mmのインプラント体は、下顎では下顎神経との距離が近いケースでも適用可能で、上顎においては大臼歯部での上顎洞までの骨の深さがあまりないケースでも、6.5mmの深さの骨があればソケットリフトやサイナスリフトなどの骨造成を回避してインプラント埋入を行うことが可能です。
そして全てのインプラント体に愛知製鋼のマグネットを装着することができます。
この日本人向けに開発されたプラトン社のエイトローブプロシステムを使用すれば、GBRや上顎洞挙上術などの骨造成を回避してインプラントを埋入する適用範囲が広がるので、インプラント義歯のみならずインプラントブリッジにも応用していきたいと思います。
〈当クリニック導入インプラントメーカー〉
●ストローマン社
1回法 スタンダードプラス SLA 及び SLActive
テーパードエフェクト SLA 及び SLActive
2回法 BLT SLA 及び SLActive
●ジンマー社
1回法 スイスプラス
2回法 スクリューベント
●ノーベルバイオケア社
2回法 ノーベルリプレイス
●プラトン社
1回法 マグフィットMIP
2回法 エイトローブプロ