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八條小学校6年生を対象にしたハミガキ...

2018.06.28

先週に引き続き、八潮市立八條小学校の6年生を対象にしたハミガキ教室に行って参りました。

わたしは、平成2年に清沢歯科クリニックを開院してから28年間八條小学校(旧八潮市立第一小学校)の校医をさせていただいております。
学校医就任当時に八條小学校の歯科検診を行ったところ、生徒たちの虫歯の多さに驚いたのを覚えております。
この時の八條小学校のう蝕(虫歯)罹患率は、埼玉県の小学校の中でワースト10内に入っていました。
虫歯ゼロの子供は2~3人しかおらず、記録を取っていた養護の先生も虫歯がゼロの子がいると感激して、その生徒をべた褒めしていたぐらいです。
また虫歯のある子に歯科治療勧告書を出しても治療率が非常に悪く、う蝕罹患率はいっこうに下がりませんでした。

これではいけないと当時の校長先生や養護の先生と何とか治療率を上げ、虫歯予防で齲蝕罹患率を下げようと対策を練りました。
学校歯科検診では、従来のように歯科検診をして治療勧告書を生徒に渡すだけではなく、検診直後に虫歯のある生徒には養護の先生が「こことここに虫歯があるから治しなさい。」と一人ずつ注意して治療を促しました。
また生徒だけではなく、学校保健委員会で保護者を対象とした虫歯予防教室を開催するなどして、年々歯科治療率も上がり、齲蝕罹患率も下行してきました。

現在ではそのかいもあって齲蝕罹患率は大幅に減少しました。
しかし、虫歯のない生徒と少ない生徒がほとんどを占める反面、ごく少数ですが虫歯だらけの生徒の二極化が見られるようになりました。
また虫歯は減少したものの歯肉炎は増加傾向にあり、それは小学校高学年で多く見受けられました。
そして最近の食物の変化により、硬い食べ物を食べなくなったせいで、肝心な成長期に顎が発達しない子が増加しました。
そのため歯の大きさに比べあごが小さすぎるので歯が並びきれずに、いわゆる乱杭歯(叢生歯)の生徒が非常に多くなっています。
この叢生歯は見た目が悪いだけではなく、歯垢がつきやすい環境となるので歯の間に虫歯ができやすく、また歯肉炎にもなりやすいので放置すれば成人した時の歯周病の予備軍となってしまいます。

今回の歯科検診では6年生の歯肉炎の生徒が多く見受けられたため、養護の大山先生の要請で6年生を対象にしたハミガキ教室を行いました。
生徒一人一人に個別に歯磨き指導する形式で一組ずつ2回に分けて行いました。
6月21日(木)は6年2組、そして6月28日(木)は6年1組の歯みがき教室を実施しました。
みんな元気が良く活発な生徒たちでした。
最初の6年2組の生徒に歯垢の染め出しを行ったところ、ほとんどの子は染まっているところが少なく、なんでこれで歯肉炎が多いのかなと思いました。
後で大山先生に聞くと、ほとんどの子が染め出しをするから家での歯みがきをいつもより長くやってきたそうです。
2回目の6年1組の生徒には普段通りの磨き方でやってくるように指示したところ、染め出してみたら、やはり多くの子が真っ赤に染まっていました。

① 最初に各自染め出し
② 個別にみがき残しをチェック
③ 生徒にデンタルミラーを渡して合わせ鏡で磨き残しの観察をしてもらう
④ 正しい歯ブラシの当て方と動かし方「スクラッビング法」の指導
奥歯の歯ブラシの入れ方
⑤ 各自磨き残しがあったところを指導した方法でブラッシング

という段取りで行いました。
決められた45分間ではかなり個別の指導は制限されてしまい、今後の課題です。
ほとんど磨き残しがない生徒も多数いましたが、少数ですがほとんど磨けていない生徒がいました。
全般的には、上の前歯の外側の歯肉側と下の奥歯の舌側の歯肉側の磨き残しが多かったので、そこに注意して磨きましょう。
これを機会に6年生の皆さんが磨き残しを減らして、歯肉炎をなくすことを願います。